作品概要
『どんぐりと山猫』(どんぐり と やまねこ)は、宮沢賢治の童話である。1924年(大正13年)に刊行された短編集『注文の多い料理店』に収録されている。係る短編集は賢治が生前に出版した唯一の作品集である。
あらすじ
ある秋の土曜日、一郎少年のもとに、下手くそで間違いだらけの文で書かれた怪しい葉書が届くところから物語がはじまる。翌日面倒な裁判があり、ぜひ出席してほしいという内容で、差出人は、山猫となっている。一郎少年は、葉書を秘密にして、一人で大喜びする。翌日、一郎は山猫を探しに山へ入る。 深い榧(かや)の森の奥に広がる草地で、異様な風体の馬車別当と会い、葉書を書いたのは彼であることなどを話すうちに山猫が登場し、どんぐりが集まってきて裁判が始まる。どんぐりたちは誰が一番偉いかという話題で争っており、めいめいが自分勝手な理由をつけて自分が偉いと主張するので、三日たっても決着がつかないという。馬車別当は山猫に媚びるばかりで役に立たず、裁判長である山猫は「いいかげん仲直りしたらどうだ」と和解を勧めるが、どんぐりたちが受け入れる気配など全く無く、その都度身勝手な主張を繰り返すばかりで、判決を下したくても思い付つかずに困っている。そこで一郎は山猫に「このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらい」という法話を耳打ちし、知恵をつけて助けてやる。山猫が一郎からの受け売りほぼそのままの判決を下すと、一瞬にしてどんぐりたちの争いが解決し、どんぐりたちは固まってしまう。山猫は一郎の知恵に感心し「名誉判事」という肩書きを与え、葉書の文面を「出頭すべし」と命令調で出すことにしてよいかと訊ねるも、一郎に否定されてしまった。バツが悪そうな山猫は、謝礼として、塩鮭の頭と黄金(きん)のどんぐりのどちらかを選ばせ、一郎が黄金のどんぐりを選ぶと白いきのこの馬車で家まで送ってくれるが、黄金のどんぐりは色あせて茶色の普通のどんぐりとなり、そして二度と山猫からの葉書は来なくなってしまう。一郎は、「出頭すべし」と書いてもいいと言えばよかったとちょっと残念に思うのである。
スタッフ
公式サイト・外部データベース: AniList · Wikipedia
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